「ストライクウィッチーズ 劇場版」を観た。

岩手では先週末やっと上映が始まった「ストライクウィッチーズ 劇場版」を観た。

TV版を観ていない人も楽しめるように、上手に説明入れてるなーと思いつつ、ズボンの説明はやっぱりスルーかよ?と思ったり。映画館の大スクリーンでズボンの大写しを見るのは得難い経験ではあった。尺に余裕があるせいか、TVシリーズよりも細かいメカ描写が増えてるのもよかったし(トゥルーデが過熱したバレルを交換するとことか好きだなあ)、戦闘シーンも盛りだくさんで楽しかった。

さて。

去年の3月から4月にかけて、石田耀子さんの「STRIKE WITCHES 〜わたしにできること〜」を繰り返し聴いていた。しばらくして2期5話「私のロマーニャ」を見返して、ガリア復興基金に給料のほとんどを寄付するペリーヌと、そのペリーヌのために花の種をプレゼントするリーネと芳佳に泣きそうになっていたのだけれど。

今回の劇場版でも、ロマーニャガリアの復興が描かれていて、そこに一番心を動かされたかもしれない。震災後だから無理やり入れたわけではなく、あくまでもTVシリーズの続き。震災前から作ってきたものが、いま大きな意味を持つというのが好きなのだと思う。いずれにせよ、2期と劇場版で個人的にはペリーヌ株急上昇である。文句はひとつだけ。ワイン用の葡萄はたしかに酸味があるけど、収穫期には甘くて美味しくなるんでよろしく。

続きを楽しみに待っている。

「スマイルプリキュア!」18話を観た。

おもしろかった。いちばん心を動かされたのはゴール後のなおに抱きつくみゆきの福圓さんだったな。教員やってたころを思い出して胃が痛くなるシーンも多々あったり(あの選手決めの話し合いで静観できる担任の先生すげえわ。あとでれいかあたりを通じてこっそりフォローしてそうだけど)。

さて、観た後で高遠るいさんの「やよい、辞退しよう - 高遠るいの日記」や法華狼さんの「『スマイルプリキュア!』第18話 なおの想い!バトンがつなぐみんなの絆!! - 法華狼の日記」を読んだ。お二人が批判、あるいは疑問を呈している部分は言われてみると納得するところもある。で、面白いと思ったのはここ。

たとえばこの話、運動神経悪いピースちゃんを本気で走らせてみたら足だけは速いことが発覚してリレーの選手に推されるけど、本人は「競争は苦手」と尻ごみする。それを「いつもの5人でならどうだ」って感じでマーチさん中心に応援する…とかいう筋だったら、最高に楽しく見れたと思うの。

たとえば、運動が苦手な黄瀬が他の競技に出なかったため、強制的にリレー選手とならざるをえなくなり、それをフォローするためプリキュアの仲間達が立候補したという流れなどもできたはず。

これはたしかに観てみたい。次回もやよい回が重そうで、たまには底抜けに楽しい黄色回やってよ!とは思うし。ただ、今回のポイントはここだと思った。

なお 「ごめんね。私のわがままに巻き込んじゃって。
私、みんなと走りたいんだ。
この5人で、一緒に。」

まあ運動会エピソードとの食い合わせは悪かったかもしれないけれど、「5人で何かやりたくて、なおが珍しくわがままをいう話」自体がよかったと思う。今回と同じ山田由香脚本回、第4話「直球勝負!風のキュアマーチ!!」でキュアマーチ覚醒のきっかけとなったサニーのセリフ「まだそんなに固ないけど、これから固い絆になるんや!」につながっている。

もう一つ思い出したのは16話「れいかの悩み!どうして勉強するの!?」で、転んだ弟に駆け寄るれいかを制止して、がんばったとほめるところ。あの場面が強く印象に残っていたので、やよいの沈んだ表情をみて戸惑う(ように見えた)ことにもわりと納得がいった。きっとうまくいくと思ってたんじゃないのかなあ。実際のところ、やよいは「わたし、がんばってみる!」って言ってたのだし。少しずつ走るフォームが力強くなっていくのもよかった。

「家族思いのしっかりした子」意外の印象が薄くなりがちなところがあるんじゃないかと思うのだけれど、山田脚本回と成田脚本回はなおの色々な面を見せようとしていると感じる。今回は、少なくとも自分の中では、なおの存在感が大きく増した。泣き出したゴール後の表情の変化も含めて。

「Happy☆てぃんくる」の中のTwinkle

「ジュエルペット てぃんくる☆」フランス版のOP 放送も始まる模様 こもぺす を読んで思い出したことを書いておく。すでにどこかで指摘されていることかもしれないけれど。

記事で話題になっていたのは、「Jewelpet Twinkle」をうまく変形させてひらがなの「てぃんくる」に近づけていること。フランス語版もなかなかよいし、OP映像を観て泣きそうになったり。

さて、OP曲「Happy☆てぃんくる」を最初に聴いた時、あれっ?と思ったことがあった。

Happy☆Happy☆ とびっきりの
Happy☆Happy☆ 夢を見て

増山加弥乃 with ルビー&ラブラ,あかり(高森奈津美),ミリア(竹達彩奈),沙羅(片岡あづさ)・作詞:森由里子『Happy☆てぃんくるコロムビアミュージックエンタテインメント 2010年

「ハッピーハッピー」でも「ハッピィハッピィ」でもなく「ハッピハッピ」と伸ばさずに歌っているところが耳に残った。何でだろう?と考えてみて、リズミックだし続く「とびっきり」に合うよなとか、ルビーたちが「ハピハピハピ!」言ってるしなーということで納得していた。が、しばらくしてから気がついたこと。

Lucky☆Lucky☆ ドキドキで
Lucky☆Lucky☆ ときめいて

増山加弥乃 with ルビー&ラブラ,あかり(高森奈津美),ミリア(竹達彩奈),沙羅(片岡あづさ)・作詞:森由里子『Happy☆てぃんくるコロムビアミュージックエンタテインメント 2010年

「ラッキラッキ」→「ラッ『キラッ』キ」ああ、輝き(Twinkle)がこんなところに!歌詞カードみれば☆が入ってるけど、これは歌ならではの妙だよなあ。まあ52話まで観た人にとっては言わずもがなの神曲になっていることと思いますが。

「映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち」を観た。

箇条書きで感想をメモ。

  • NewStageだった。スイートとスマイルを中心にしたぶん、DXシリーズよりもストレートに物語を楽しめた。出番が短いのはさみしいけれど、先輩プリキュアの登場シーンは燃える。
  • 逆に大塚監督のDXシリーズはすごかったんだなと改めて。
  • この間みたばっかりのフレッシュプリキュア!6話リプライズって感じもした。タルト盗み食い疑惑とかお母さんが消えるとことか。
  • スイート的な和解の物語にスマイルのテイストを乗せている…いや、これは「君に届け」か?なんて思ってもみたり。バカにしてるわけでもなんでもなくて、あゆみが能登さんじゃなくてもそう感じたと思う。普遍的なものを真っ正面から描いているという意味で。もちろんどっちも好きだ。
  • 感動的な場面とかじゃなくてもう出てきただけで涙流れたりしてなんか色々とダメ。「えーいーえんのーともだーち」とかもうたいへん。くどまゆさんがプリキュアに継続して関わってくれてよかったよ。
  • 自分はスイートが好きだったんだなあと実感。スマイルはこれからだよね。
  • 開幕バトルに志田直俊さんの色が濃厚に出てる気がした。コンテにクレジットされてたけど、戦闘シーンの担当じゃないかなあ。スマイルにもたくさん参加してくれないかなあ。
  • エコーのデザインは青山さんかな。青山さんもTVシリーズでもっと観たい。
  • トイレ担当のマリンに引っ張られたのか、今回はハートキャッチ組が全員トイレ担当でちょっと笑った。

「スマイルプリキュア!」9話を観た。

4月1日の始まりにどんな話を子どもたちに観てもらいたいのか、という作り手のメッセージを勝手に感じた話(今年のエイプリルフールは日曜なのに、学校の話で押し通すってのは狙ってるんじゃないかなあ。そもそもエイプリルフールは春休みだ)。それは3月11日放送回でも感じたこと。

まあ、なんで久しぶりにはてダ書いてるかというと原画に伊部由起子さん参加しててうおおおってなったからである。どっかで盛り上がってるんだろうか。

ううむ、1回きりとは残念。

話数単位で選ぶ、2011年TVアニメ10

昨年に続いて、選んでみる。順番は概ね自分が見た順。

ハートキャッチプリキュア! 48話 「地球のため!夢のため!プリキュア最後の変身です!」(脚本:栗山緑/演出:長峯達也・広嶋秀樹/作画監督馬越嘉彦

「月影ゆり!私が憧れたキュアムーンライト!」つぼみがゆりと対等になった瞬間であり、本当に変わった瞬間。感情が最高に高まったのはここ。

STAR DRIVER 輝きのタクト 最終話 「僕たちのアプリボワゼ」(脚本:榎戸洋司/コンテ:村木靖五十嵐卓哉/演出:五十嵐卓哉/作画監督伊藤嘉之・阿部慎吾・大塚健

10回以上観たのはこれだけかな。話としても作画アニメとしても最高だった。9nineの「Cross Over」に乗せたラストのサーカスは、音楽との組み合わせという意味で由緒正しいサーカスだが、回避を最小限にして真っ直ぐザメクに向かっているところが本来のサーカスと異なる爽快感。スタドラはOP/EDががっちり作品にかみ合っていた。

フラクタル EPISODE 11 「楽園」(脚本:岡田麿里/コンテ:山本寛・吉岡忍・牧原亮太郎/演出:山本寛/作画監督:河合拓也・浅野直之

空気感が心地よかった1話と神戸守らしいスタイリッシュさが光ってた2話も捨てがたいが、やはり最終話で。見守るしかなかった大きな事件の後、小さなコミュニティの再生から始めるというヤマカンが選択したラストは、震災後こそ価値を持つ表現として評価されていいと思う。

魔法少女まどか☆マギカ 10話 「もう誰にも頼らない」(脚本:虚淵玄/コンテ:笹木信作/演出:八瀬祐樹/作画監督:伊藤良明・潮月一也)

とにかく、この回でやっと爆発した悠木碧斎藤千和の素晴らしさに敬意を込めて(9話までの抑制された演技もよかったです。念のため)。作画回としてもシリーズ屈指。

テガミバチ REVERSE 23話 「アカツキにて」(脚本:赤星政尚/コンテ:西澤晋/演出:北川正人/作画監督:飯飼一幸・相坂ナオキ)

これだけ他とちょっとニュアンスの異なるチョイス。震災直後に関東圏で放送され、一部から抗議を受けた作品として記憶しておきたいので。この回はラグの母とゴーシュがよかったし、この作品の静かで美しい世界観とED2「ペルセウス」の歌詞は当時の心に沁みた。間をたっぷり取ってるので声優陣の演技が楽しめる作品だったし、韓国スタジオグロス回(19話のHanJinAnimation)が安定してたり突然すごい作画があったりしておもしろかったのに(9話の山門郁夫回とか梅津泰臣田中宏紀らが参加した24話とか、個人的には二宮常雄さんの名前が何度も見られたのが嬉しい)、まったく話題にならない作品だったなあ…。

スイートプリキュア♪ 23話 「ザザ〜ン!涙は世界で一番ちいさな海ニャ!」(脚本:米村正二/演出:田中裕太/作画監督:高橋晃)

騙されても騙されても友を信じるハミィの愚直さがセイレーンを動かす。たぶんスイートプリキュアの骨格になるものだと思う。調べの館(たぶん)のオブジェ風の壁面を平面構成風に扱い、カメラをどんどん移動していくシークエンスは今年いちばんどきどきした。田中裕太回はどれも面白い。

猫神やおよろず 4話 「思い出ハレーションサマー(脚本:待田堂子/コンテ・演出:玉川真人/作画監督:森島範子)

気楽に見始めたら重量級の作品だったという。「忘れられた物と記憶を守護する猫神」が主役なんだからセンチメンタリズムに横溢したものになるのは当然なわけで。ED「Oh My God♥」の歌詞「優しい記憶」の話だった。この回は戸松遥堀江由衣高垣彩陽三者三様で素晴らしかったし、森島作監でキャラの表情も魅力的。キャラクターデザイン・総作監渡辺敦子さんから芦田豊雄さんを、美術を担当したメカマンから中村光毅さんを思い浮かべて余計に感傷的になる作品でもあった。

アイドルマスター 4話 「自分を変えるということ」(脚本:待田堂子/コンテ:鶴巻和哉/演出:高島大輔/作画監督:荒尾英幸)

現時点で22話まで視聴。20話や21話もよかったけれど、アニマスは1話から6話あたりの序盤が神がかっていると思う。3話で雪歩に真っ直ぐ近づいて距離を縮められた赤羽根Pが、千早には近づこうとしてもできなかったのが4話という対比。アイドルマニアで心の壁を描いた作品と10年以上つきあってる鶴巻和哉にこの回を振った錦織監督GJと言わざるを得ない。そういえばOP1の千早の表情と本編の表情にギャップを感じたのもこのあたりだった。

輪るピングドラム 20TH STATION 「選んでくれてありがとう」(脚本:幾原邦彦伊神貴世/コンテ・演出:林明美/作画監督林明美桑名郁朗楠本祐子

ピングドラムは、大人の所有物でも代弁者でもない「子ども」を描いた作品だと感じた。幼いころの晶馬と陽毬を魅力的に描写したこの回を。

ジュエルペット てぃんくる☆ 52話 「3つの願いにドッキ☆ドキ!」(脚本:島田満/コンテ:宮崎なぎさ/演出:山本天志/作画監督:伊部由起子・宮川知子)

黙って52話ぜんぶ観てください。


他にもたくさんあって、今年は10に絞るのがたいへんだったがこんな感じで。

「映画けいおん!」を観た。

演奏中のメンバー間のコミュニケーションが描かれていたことが何よりうれしかったな。アイコンタクトだったり演奏そのものだったり、言葉にはならないもので一瞬しかないもの。

特に、「U&I」のギターソロの終わり。本来は唯と梓のハモりのフレーズで、部室でのカセット録音では別々のフレーズに別れていたところ。教室ライブはユニゾンだった。あの時の唯と梓。とてもわかりにくい演出なのだけれど、観た人にはきっと何かが伝わるだろう。

あの子たちは、言葉じゃ伝えられないから音楽をやってるんだという当たり前のことにいまさら気付いた。