「放課後ティータイムII」を聴いた。その6

StudioMix収録曲が終わったので、残りのCassetteMixのレビュー開始。

ふわふわ時間

  • 放課後ティータイム最初の曲かつ代表曲。普通に入手できるものだけで4バージョンあるし、作中でも何度も演奏されてきた。今回は唯と澪が交互にボーカルを取っている。
  • 特に前アルバムのLiveMixと比較するとおもしろい。ライブ(音の反響が多い)な会場で大型アンプを使用した講堂ライブの音よりも、音楽室のデッドな空間で小型アンプを使用した今作のすっきりした音は細かいニュアンスが聴けて楽しい。
  • 3年生にとっては約2年半、梓にしても2年近く演奏してきた曲だけあって、歌も演奏も余裕が感じられる。唯のギターソロも最初のシングルに収録されていたバージョンを基本にしながら、後半は若干アレンジ。これがベストなバージョンじゃないかな。
  • あらためて聴くと、詞も演奏も以降の曲に受け継がれた「原点」なんだなあ、と感じる。
  • けいおん!シリーズは「キャラクターが成長していない」といわれることがあるが、そんなことはないと思う。それどころか「ふわふわ時間」という楽曲の成長まで描いた作品だ。声を嗄らした唯に代わって澪が歌った初ライブから、梓が加入してアレンジに厚みが増し、今回の安定感ある演奏へ。リスナーも繰り返し聞いてきたことで曲への愛着が育つ。さらに、次の世代に受け継がれるところまで描かれた。こんな作品は多くないんじゃないかと思う。
  • 今回のCassetteMixで、ギターから入る「ふわふわ時間」とベースから入る「ときめきシュガー」にカウントが入っていたので、これで「放課後ティータイムの曲は全て律から始まる」ことが確定ですね。
  • ちょっと余談的に。「ふわふわ時間」は1期11話の律と澪が険悪になった原因の一つだったり。本来のアレンジではラップパートのベースの最低音がLowD(ハ長調のレ)で、チューニングを1音下げなければ出ない音。そのためライブでは1オクターブ上のDを弾いている。11話で澪が見ていたのは5弦ベースだった(はず)なので、低いD音をライブでも使いたかったのでしょう。
  • 原作でははっきり書かれていたけれど、澪のフェンダージャズベースは2本目のベース。1本目はフェンダー(おそらく)・プレシジョンベース。楽器屋に行く度にご執心だったのがミュージックマン・スティングレイ。全てフェンダーの創業者であるレオ・フェンダーの傑作。ジャズベは珍しくないけど、この順番で目を付けているのは相当にマニアックな女子高校生である。最終的にG&L L-2000(レオ・フェンダー最後の代表作。プレシジョンとジャズベースとスティングレイのいいところを合体させたようなベースと言われる)に走ると予想。