「放課後ティータイムII」を聴いた。その9

前回レビューの続き。今回でラスト。

「ふでペン〜ボールペン」

  • 前アルバムのLiveMixは1期12話=唯がギー太を取りに戻ったときのバージョンなので、唯がコーラスしている音源は初。唯Vo.もいいんだけど、これは澪の歌の印象が強い。
  • イントロ・間奏のリードは1期10話の合宿回で苦戦していたフレーズを唯が弾いている。2年の新歓で弾いたはずの「ふでペン」になぜ苦労してたかというと、梓の加入でアレンジが変わったせいだろう。この曲の梓はAメロの単音カッティングとかBメロの機械的なフレーズなど、梓の個性がよく出ているのがこの曲。
  • この曲も落ち着いた余裕のある演奏。そのぶん「歌もの」としてのよさが際立つ。
  • 詞は「私の恋はホッチキス」の続編的なもの。両曲とも、作中に何度も出てきた澪の勉強机の上で完結しているのがおもしろい。見ているだけだった「ふわふわ」、思いを便せんに綴ってみた「ホッチキス」、グリーティングカードに気持ちを込めた「ふでペン」。そして「飛んでいっちゃえ! キミのもとへ」*1と歌われる「ぴゅあぴゅあ」まで作中登場順に並べると、少しずつ前に進む澪の心情が見えてくる。

まとめ的な何か。

長々と書いてきたけれど、「けいおん!」はこんなことを一切気にせず楽しめる作品だ。もし音楽的な細かい描写を前面に押し出していたら、今のような人気はなかったと思う。ただ、いっけん見えにくい音楽描写や楽曲の中に膨大な情報が詰め込まれた作品であることは間違いないんじゃないかな。