話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10

年が明けてしまったが、karimikarimiさんの「話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10 karimikarimi選」に影響を受けて選んでみた。

夢色パティシエール recette30 「ミラクルチーズケーキ」(脚本:成田良美/コンテ:博多正寿/演出:松下周平/作画監督:山田勝・山田真也)

初期エピソードの評価が高い夢パティだが、中盤も良エピソードを連発していた。チーズケーキの素材を学ぶために牧場を訪ねるいちごたち。生産者への敬意と感謝、ケーキを食べて素材を当てるいちごの鋭敏な味覚、妙にビジネス的な展開に走った「SPプロフェッショナル」よりもプロらしさを感じた。この回はキャラメルもよかった。夢パティでは画面の切れ味が冴えていたrecette26「オジョー帝国の悪夢!」(奥野浩行コンテ回)も印象に残っている。

ハートキャッチプリキュア! 第7話 「あこがれの生徒会長!乙女心はかくせません!!」(脚本:栗山緑/演出:小川孝治/作画監督:爲我井克美)

病弱な兄に代わって道場の跡継ぎを引き受け、男装して生活するいつき。可愛いものが好きな自分を認めたあとも、自分の選択として男装を続けるのもよかった。このエピソードがあるから、あのサンシャイン変身バンクのはじけるような笑顔が生きる。

けいおん!! #10 「先生!」(脚本:花田十輝/コンテ・演出:高雄統子/作画監督西屋太志高橋博行)

結婚式DEATH DEVIL再結成回。バンドものとしては20話よりもこっちだ。4人が高校を卒業して梓と離れても、大学を卒業して離れても、それを望めばいつでもHTTは復活することをさわ子先生たちが示したといっていい。屋台でギー太を弾く紀美さんや、ステージから観たさわ子の後ろ姿など、演奏描写もぐっときた。

ストライクウィッチーズ2 第2話 「伝説の魔女達」(脚本:鈴木貴昭高村和宏・浦畑達彦/コンテ:林宏樹・寺尾洋之/演出:林宏樹/作画監督倉嶋丈康・寺尾洋之)

二式大艇かっこよす!シールドを張れないもっさん!芳佳のシールドでけえ!白スク水www!シャーリー&ルッキーニを皮切りに再集結する501!そして紫電改と烈風斬!燃える要素が最高に詰め込まれた回。

とある科学の超電磁砲 #24 「Dear My Friends」(脚本:水上清資/コンテ・演出:長井龍雪/総作画監督田中雄一佐野恵一

各話リストを見ていて改めて気づいたのだが、水上・長井・田中の3人が揃ったのは1話と24話だけ。前半の高速道路、後半の施設内と質の違うバトルシーンがそれぞれ楽しかったし、「LEVEL5-judgelight-」「only my railgun」「Dear My Friend -まだ見ぬ未来へ-」の使い方もツボにはまっていた。原作の超電磁砲がどんどん陰惨な展開に向かっていくので、ひとまず「Dear My Friend」に落としたのは正解だったと思う。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第1話 「響ク音・払暁ノ街」(脚本:吉野弘幸/コンテ・演出:神戸守/作画監督:赤井俊文)

シリーズを通してそうだったのだが、特に1話は冒頭の列車内のシーンから光と陰の表現が印象的。先日、神戸守の「Cosmic Baton Girl コメットさん☆」を見たのだが、これも1話冒頭の光と陰が美しかった。ソ・ラ・ノ・ヲ・トは伏線が丁寧に積み重ねられているので、見返した2周目のほうがおもしろかった。

世紀末オカルト学院 Episode 6 「文明の道程」(脚本:綾奈ゆにこ/コンテ・演出:中村亮介/作画監督:細居美恵子)

本来はEpisode 5(コンテ:伊藤智彦)と続きのエピソードなので連続で観たいところ。物語の状況説明をしつつマヤと文明の和解まできっちり見せて、さらにオチまでつける。脚本家女子大生・綾奈ゆにこの実力を知った作品。

パンティ&ストッキングwithガーターベルト 第10話 「ヴォミッティング・ポイント」(シナリオ:瀬古浩司/コンテ・演出:小林治/作画監督:向田隆)

小林治の仕事ではGAD GUARDBECKのEDが好きなので、こういう作家性が強く出た回はうれしい。明らかに浮いてるんだけど、パンストはそれが許される作品として貴重。

百花繚乱 サムライガールズ 第肆話 「ねえ忠してよ?」(脚本:金月龍之介・門田祐一/コンテ:斉藤哲人/演出:藤本義孝/作画監督:Eum Ik-Hyun・Sin Je-Ik)

どの回を選んでも最高に頭悪いアニメ(褒めてるつもり)なので同じようなものだけれど、千(寿美菜子)と幸村(釘宮理恵)のやりとりが楽しかったこの回を。声優陣の熱演・迷演が印象に残る作品だった。あと、女子キャラが売りの作品だと思うが、宮澤努による宗朗のデザインがすごくよかった。梅津泰臣を経由してタツノコにつながるライン。

たまゆら 第2話 「水色のちっさな切符、なので」(脚本:吉田玲子/コンテ:佐藤順一/演出:酒井和男/作画監督渡辺はじめ

本来はOVAだが、AT-Xでも放送されたのでいちおうTVアニメということで。楓の写真と、楓が憧れる写真家の作品に(少なくとも作中では)説得力があるのがよかった。写真家からプレゼントされた「行き先の書かれていない切符」は、けいおん!!23話(脚本:吉田玲子)の「ゴールの書けない軽音部すごろく」と共通するモチーフ。あと、たまゆらでの竹達彩奈はすごくいい。

こうして振り返ってみると、シリーズ構成や脚本の面で印象に残っている回が多いなあ。わりと平凡なセレクションになっちゃった感じ。