話数単位で選ぶ、2012年TVアニメ10選
順番は思いつき順。
スイートプリキュア♪ 47話 「ピカーン!みんなで奏でる希望の組曲ニャ!」(脚本:大野敏哉/演出:田中裕太/作画監督:河野宏之)
「絶対に許せない」といいながらくり返し和解を描いてきたスイートの到達点。「悲しみに染めてみせる!」「笑顔に変えてみせる!」も泣けるけど、ビートの「知ってるからよ!」にぐっと来たなあ。河野作監回はキャラの顔がいまいち不評なようですが、田中演出の高度な要求に応えきったと思う。
スマイルプリキュア! 6話 「チーム結成!スマイルプリキュア!!」(脚本:米村正二/演出:土田豊/作画監督:河野宏之)
シリーズを通した大きな物語が魅力的だったスイートに対して、1話単位での面白さが光っていたスマイルプリキュア。迷ったけれど、3月11日放送のこの回を。エイプリルフール回や七夕回など、現実の日付に近づけたスマイルにおいて、この日に放送する回にメッセージが込められていないわけがないのだ。
ジュエルペット サンシャイン 47話 「星に願いを…イェイッ!」(脚本:山口宏/コンテ:三沢伸/演出:徐恵眞/作画監督:筆坂明規・金城美保・野道佳代)
JPS版王立宇宙軍といえる笑って泣ける回。結末が冒頭に来る個人的に大好きなパターン、ガガーリンの引用も「地球は青いヴェールを…」の方で。サフィーが女の子で犬のジュエルペットであることもライカ犬を想起させてさらに泣ける。
銀河へキックオフ!! 22話 「涙」(脚本:山田隆司/コンテ:こでらかつゆき/演出:吉田俊司/作画監督:ごとうじゅんじ・清水勝祐)
川端裕人さんの原作自体が、サッカーにまつわるさまざまなイシューを積極的に取り上げた作品で、丁寧なアニメ化でキャラクターの魅力がさらに上積みされた。どの回もおもしろいので、エリカのクロスが印象に残ったこの回で。銀オフのサッカー描写は、本当に試合を観ているときのように、思わず声を上げてしまう。
戦姫絶唱シンフォギア EPISODE 1 「覚醒の鼓動」(脚本:金子彰史/コンテ:伊藤達文/演出:室谷靖/作画監督:いとうまりこ/ノイズ作監:光田史亮)
倒置法というか遡及的というか、全体でも短いタームでも遡って意味が明らかになるパターンが多かった作品だと思うので1話。この回は、ツヴァイウイングのライブ会場、ステージとアリーナを見下ろした響の高揚もよかった。ライブが始まる前のどきどきを描いてくれるのは本当に嬉しい。音楽の力を信じている人たちが作ったアニメだと1話でわかる。ついでに岩手県人としては「盛岡のおじさん」も地味にうれしかった(伊藤達文さんは盛岡の出身)。
モーレツ宇宙海賊 SAILING 15 「密航出航大跳躍」(脚本:伊藤美智子/コンテ・演出:倉田綾子/作画監督:いとうまりこ)
モーパイも全話楽しいですが、オデット2世も弁天丸も、ヨット部の面々も弁天丸クルーもどっちも存在感を見せてくれるこの回で。さらに、この回は脚本・演出・作監が女性のみでモーパイらしいんじゃないかと。ハラハラさせられつつもなんだかんだでやり切ってしまう高校生たち、見えないサポートで動きまくる大人たち。子どもをバカにするでもなく、放置するわけでもない大人たちがよかった。モーパイは食べ物を使った演出がバシバシ決まってるので(この回ならグリューエルが持ってきたスイーツ)、「誰と食べるか」「食べた後のキャラクターの距離」に注目して観ると面白い。
ガールズ&パンツァー 8話 「プラウダ戦です!」(脚本:吉田玲子/コンテ:内藤明吾・山内則康/演出:政木伸一/作画監督:五十内裕輔・渡辺奈月/メカ作監:須藤晋)
雪上戦も「カチューシャ」もよかったけど、この回は鍋シーン。距離を縮める定番演出の「鍋」で、結局言い出せないで終わるのがいいんだ。
ハイスクールD×D 12話 「約束、守りに来ました!」(脚本:吉岡たかを/コンテ・演出:柳沢テツヤ/作画監督:ごとうじゅんじ・神田岳・石動仁・そらもとかん)
ED10選ではおそらく最強クラスと思われるハイスクールD×Dですが。12話は熱かった。オカ研全員の名前出しながらの畳みかけ(「○○が言っていた!」のあれね)から「部長が泣いてたんだよ!」最高だったなあ。2期楽しみ。