「変身ヒロインのフィロソフィー」について

ハートキャッチプリキュア!が素晴らしすぎて、批評・感想ブログを探しているうちに興味深い記事に出会った。

では、変身前=子供、変身後=大人というギャップがなにを生み出すのかといえば、それは成長です。変身によって一足早く大人になった自分を体験することで、成長のイメージ・エネルギーを得ることが、変身ヒロインの象徴的な意味です。

ゆえに、変身ヒロインの成長とは、強くなることではなく大人になることです。恋愛の成就によって表現されることが多いですね。
『おジャ魔女どれみ』化した『ハートキャッチプリキュア!』は、それでもちゃんとプリキュアになれる - 猫拳@はてな

読んでいて思いついたことがあるので、まとまっていないがメモしておく。

  • 魔法の力を失い普通の子どもとして生きるミンキーモモ(直後に死んじゃったけど)とか、(恋愛が成就する可能性が高いであろう)変身後の自分を否定するクリィミーマミの優は、当時はかなり斬新だった。
  • これも「成長」のひとつではあるのだけれど、「今の自分を受け入れる」「アイデンティティの確立」という側面が強い作品群といえるか。
  • 今の作品でいえば「しゅごキャラ!」がその系統。パブリックイメージと自然体の自分にギャップがあるところからスタートしてるのが巧いし現代的。
  • しゅごキャラ!における変身は現在のセルフイメージを現実化したもので、大人になった姿ではない(成長の方向性は示しているといえる)。
  • 子どもたちにとっては今をどう生きるかが切実な問題で、PEACH-PITはそれに応えようとしているんじゃないか。何が言いたいかというと、「成長のイメージ・エネルギーを得る」ロールモデルとして第一に選択されるのは、「大人」ではなくて年代の近い友達(や先輩)ではないかということ。

『ハートキャッチ』は、この絵柄ですから、変身したプリキュアも見た目は子供です。
『おジャ魔女どれみ』化した『ハートキャッチプリキュア!』は、それでもちゃんとプリキュアになれる - 猫拳@はてな

  • というわけで、変身後も子どもの見た目であることは、絵柄だけが理由なのではない(と思いたい)。
  • キュアムーンライトだけでなく、えりかの姉、二人の母親、つぼみの祖母と二人のロールモデルになり得る人物が広い年齢層で配置されている(このへん「しゅごキャラ!」は弱いよなあ)。
  • おもちゃは売れない気がする。