「放課後ティータイムII」を聴いた。その7

(補足)26話の「ふわふわ時間

  • 前回レビューの補足です。26話(最終放送回)で、梓、純、憂の3人で練習していた「ふわふわ時間」について。
  • 律のいない新軽音部のふわふわ時間は梓のギターから始まる。全曲が律=部長から始まっていた旧軽音部から、梓が部長を引き継いだということを音楽で表している。前にも書いたけどここでも強調しておきたい。
  • 26話バージョンでの梓のギターは、5人の時の梓のギターとも唯のギターとも、4人の時の唯のギターとも違う。梓による新しい「ふわふわ時間」。
  • 純がここでベースを弾いていることは、the pillowsのファンにとっては特別な意味を持つ。pillowsは、バンド創設者でありリーダーだったベーシストの上田ケンジがバンドを存続させるために(と言っていいと思う)自ら脱退したバンドで、その後は正ベーシストは空席。現在はレコーディングでもライブでも「鈴木淳」がベースを弾いている。あくまでも「サポートメンバー」だが、ファンから見れば正式メンバーと同等だ。
  • ちなみにpillowsのメンバー中、ドラムの佐藤シンイチロウの名前がまだ使われていない。来年の新入部員には、きっと「佐藤」というドラマーが加入するに違いないと思っている。
  • 純のベースについてもここで少し。純のYAMAHA SBVは硬質な音と小柄なボディが特徴で、元SUPERCARフルカワミキPOLYSICSのフミなどロック系の女性ベーシストが愛用した機種。ジャズ研には梓のムスタング以上に似合わないベースで、ルックスで選んだあたりは唯と似たもの同士。26話では、コード譜を渡されてとりあえず弾いてみた感じの、ほぼルート弾きの演奏になっているのが細かい。
  • 憂のオルガンが「Strawberry Fields Forever」を想起してしまうんだが、もしもそうなら解釈が異常にめんどくさくなるので気のせいだと思う。

「カレーのちライス」

  • 「カレーのちライス セックス」という検索キーワードでアクセスが何件かあったけど、その話はこれからですから。
  • 前アルバムのがんばってハードロックやってみた!という感じのムギのオルガンもよかったけど、少しこなれた感じの今回のプレイが好み。
  • 二人のギタリストがどちらもワウを多用するってかなり珍しい気が。
  • 澪のベースがジョン・エントウィッスルって前に書いたが、この曲だとジャック・ブルースのようでもある。今のチャートに入りそうなアーティストでは、亀田誠治東京事変ほか)と並んで凶暴な音のベーシストだと思う。
  • 「ときめきシュガー」同様、食べ物が性的なメタファーになっていることに気がつかずに書いてしまった感じの詞だ。というか「暗喩」じゃないだろうこれは。
  • 「おねがい!」「刺激ちょーだい」「大人味なの」「経験しちゃえ」「限界」「、、、もうダメ」とか。「お肉」「育ち盛り」とかも相当アレだな。「カレー」と「彼」のダブルミーニングまでは意識していそうだけれど。*1
  • オタ受けを狙ったテンプレ的キャラと見られがちですが、こうしてみると澪はなかなかおもしろいキャラクターです。

*1:放課後ティータイム・作詞:稲葉エミ『カレーのちライス』ポニーキャニオン 2010年 より引用