「映画スイートプリキュアとりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ」を観た。

スズの扱いが物足りないとか不満がないわけではないが、リズムの「響ーっ!!」だけで自分は満足だ。

「震災後の表現はどうあるべきか」とか「3月11日以降変わらざるを得ない」とかときどき目にするけれど、その度「スイートプリキュア観ろよ」という気持ちになる。おそらく作り手の自覚という意味で変化があったと思うし、プリキュアたちが訴えてきたことは震災前と何も変わらない。*1

*1:年少の視聴者が多いであろう長期シリーズの作品には、自分が観ていないだけでプリキュア以外にも同じような作品がきっとあるだろう。

「ベン・トー」白梅梅は嫌いじゃない。

いつも読んでいるいくつかのブログで、「ベン・トー」の白梅梅が話題になっていたので、少しだけ書いてみる。原作未読、アニメ本編の4話までの範囲で。

自分の場合は、白梅は嫌いではない。正確には「嫌いにはなれない」。理由は、白粉花の、おそらくこれまでは唯一の庇護者だったから。白粉をいじめていた人間には男子もいたはずで、力に頼るのは(賛同しないまでも)わからなくはない。唯一の庇護者の座を佐藤に奪われて嫉妬するあたりも。

現実にあんなのがいたら迷惑きわまりないけれど、フィクションとしての強調として許容範囲。むしろ白粉をいじめてた連中こそ「理不尽な暴力」であり、自分の嫌悪の対象。

「スイートプリキュア♪」36話を観た。

響と奏の仲直りに始まって、響については親との和解が、ハミィとセイレーンを通じて敵の立場になってしまっても信じることが繰り返し描かれてきたので、素直に感動して観た。「おもしろくなってきた」という声を見かけたけれど、これまでの蓄積あってこそ、だと思う。

今回、真の敵「ノイズ」の存在が明かされたわけで。実はネガトーンの音波で苦悶する人々を観るたびにMy Bloody Valentineを思いうかべてしまっていた。ギターのフィードバックノイズによる轟音の壁の隙間から甘美なメロディが聴こえるという、いわゆるシューゲイザーの代表的なバンド(輪るピングドラムED「DEAR FUTURE」もシューゲイザーといっていい楽曲)。

ライブの「You Made Me Realise」では、10数分以上にわたって轟音ノイズを聴かされることになる。こんな感じで。

観客の様子。ライブ聴きに行ったのに耳を塞いで耐えるとか。

ライブで観たいとずっと思っていたのに、活動再開を待っているうちにいいトシになったので、身体的に耐えられる自信がなくなってしまったよ。

おまけ。My Bloody Valentineといえばけいおん!SSのこれが面白かった。シューゲイザーけいおん!の両方がお好きな方は。

「夢色パティシエール」10巻を読んだ。

ついに来てしまった最終巻。本編は文句なしの結末を迎え、番外編であの人やあの人まで描いてくれて想像以上の素晴らしさ。アニメの夢パティが好きでまだ原作を読んでいない人は、1巻から10巻までぜんぶ読むと幸せになれると思います。あまりネタバレしないように原作をおすすめしてみる。

  • ケーキグランプリで完全にアニメと分岐します。原作は松本先生流の「プロフェッショナル」像が描かれますが、夢パティのテーマである「食べた人が笑顔になるスイーツ」は一切ブレないのでご安心を。
  • 天王寺さんは人間らしいところもみせますが、最後までかっこいい天王寺さんのままです。アンリ先生も。
  • 原作の樫野なら許す。SPプロフェッショナル55話でいちごが気絶してる間に服を脱がせた(着替えさせた)樫野は許さん。
  • 最終話に向けて、人間と精霊(スピリッツ)のパートナーシップの物語がメインに。スピリッツたちが好きな方は感涙すると思います。
  • バニラさん実はリア充?問題を知らないのはもったいない。
  • 松本先生のアニメ版への愛がすごくて、後半ぶーぶー言いながら観てたのにだんだん許せるようになってきます。おまけマンガにスタッフさんやキャストさんの話もけっこう出てくるのもおもしろい。
  • 10巻の柱コメントは超絶なネタバレを多数含んでいるので、読むときはご注意を。

番外編のようなショートストーリーでいいから、また描いてほしいなあ。コミックス折り返しの「スイーツ精霊一同」からのコメント、

いちご達の夢はまだまだ続きます。
いつかまたどこかでお会いしましょう!!

を読んで、「まだまだ続くよ♪」といういちごの声が聞こえてきたのは自分だけじゃないでしょう。たぶん。

工藤真由さんのミニコンサート行ってきた。

岩手朝日テレビの開局15周年イベントで、プリキュアシリーズのOP/EDを歌っている工藤真由さんのミニコンサートがあるということで行ってきた。2回公演の午後の方。セットリストはこんな感じ。

  1. ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪〜∞UNLIMITED ver.∞〜
  2. プリキュア5、スマイル go go!
  3. プリキュア5、フル・スロットル GO GO!
  4. Tomorrow Song 〜あしたのうた〜
  5. ハートキャッチ☆パラダイス
  6. ♯キボウレインボウ♯

ハートキャッチ☆パラダイスのみ、なんとフルサイズ。客席からステージ前に出てきて踊っていた女の子たちもいちばん楽しそうだった。個人的には「プリキュア5、スマイル go go!」が歌い込んでいるせいか曲調のせいかいちばん安心して聴けた。工藤さんの歌はフラットしそうになったかと思うとすぱーんと高音が伸びたり、スリリングなところも好きだけど。彼女の歌は、なんかのぞみっぽい。

大きなお友達」を連発していて大友フレンドリー(?)なMCが意外だった。女性の大友がけっこう来てたのが嬉しかった様子。ご自身のブログ(ライブの様子がアップされてます)やTwitterの話はどう考えても子ども向けじゃないもんなあ。

子どもたちに向けたMCで「つらいことがあっても」とか重い言葉が出てきてしまうのは、きっとプリキュアに関わる人たちの使命感の表れなんだろう。子どもたちが元気と勇気をもらって帰ってくれたなら。

しかし、これで完全に「大きなお友達」になってしまったな。

「ロウきゅーぶ!」3話の食事シーンのこと。

バスケットボールのプレー描写に関してはいろんなところで絶賛されてるので、ちょっと別なところを。試合を控えた女子バスケ部の面々に、昴の母が「明日の試合のために、たくさん食べて体力つけてね」と振る舞ったメニュー。

パン、パスタ、パエリア。炭水化物と炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーション(右上のクリーム色の料理がはっきりしないが、グラタンとかポテトサラダとかのような気がする)。試合で使うエネルギー(グリコーゲン)を蓄えるための高糖質メニュー。この他に出てくる野菜サラダとパエリアにレモンらしきものが乗っているのは、おそらくクエン酸疲労回復とグリコーゲンの蓄積効果も期待して。

きっと昴の試合前にも、こんなふうに食事でサポートしてきたのだろう。高校生の息子がいる母親の世代が中高生ぐらいのときは、スポーツ栄養学的な知識はあまり浸透していなかったから、昴のために勉強したんじゃないかな。食事だけでも、昴がバスケットボールに打ち込んできたことと、母が応援してきたことがよくわかる。っていうかじーんときた。これ、原作にもある描写なのかなあ。

バリエーションズ・プリキュア

思いついたのでメモ的に。

スイートプリキュア♪」というタイトルは、無理やり訳せば「組曲プリキュア」。変身時の二人のセリフ「響け!二人の組曲!」にもある通り。しかし、物語としては「組曲(suite)」じゃなくて「仲直りを主題とする変奏曲(variations)」じゃないかと、キュアビート登場シリーズを観ながら思った。

1・2話で響と奏によって主題が提示され、シチュエーションやキャラクターを入れ替えながら変奏が繰り返される。そして、メジャーランドとマイナーランドの和解がコーダになるんじゃないかなあ。

それにつけても23話はおもしろかった。物語もさることながら、石壁(?)をまるで舞台セットのように扱いつつ、カメラをどんどん移動させてくところとか。赤信号と青信号は子どもでもわかる子はきっといるよね。